今後の介護業界を盛り上げるために必要なことは?

これからの介護業界を考える

介護業界の今後の行方

介護離職ゼロを目指して

現在政府は一億総活躍社会をテーマに、「介護離職ゼロ」を目指しています。加速している高齢化に対応するためには介護施設などのように高齢者を預ける環境を整え、介護難民を生み出さないように工夫する必要があります。
そのためにまずは介護職員の待遇を改善し、人手不足を補うことが必要不可欠ですが、介護離職は年間10万人にも及ぶといわれており、職員の定着率を上げるのが急務となっています。すでに処遇改善加算で3万7,000円の賃上げも行われていますが、離職率を引き下げて定着率を上げるにはもっと大きな賃上げが必要です。そこで新たに決定されたのが「勤続10年以上の介護福祉士につき8万円の給与アップ」という施策です。給与が低いといわれている介護業界にとって明るいニュースとなりましたが、実はいくつかの問題点も含まれていました。

介護離職ゼロを目指して

対象となる介護福祉士がいない

この政策の問題点は、「対象となる介護福祉士がほとんどいない」ということです。厚生労働省の調査によると、介護福祉士の平均勤続年数は6年でこの政策に当てはまる勤続10年以上の介護福祉士はほとんどいないことが分かりました。また、対象となる介護福祉士にとっては嬉しいニュースですが、ステップアップを目指して資格を取得したもののまだ介護福祉士の仕事に就いていない潜在介護福祉士には意味がなく、介護福祉士そのものを増やす効果はありません。

マイナスイメージを払拭する

介護職は高齢者の自立をサポートし機能が回復していく様子を間近で見ることができて大きなやりがいが得られ、さらに年代の違う人と接することであたたかなコミュニケーションを取ることもできる仕事です。しかし、介護業界にプラスのイメージを持っている人はそれほど多くありません。
厚生労働省によると介護職のイメージは「仕事がきつい・ハード」「給与が低い」「将来が不安」といったイメージを持っている人が多く、「介護の仕事に就きたい」という人はなかなかいないようです。しかし、実際に介護離職の理由として挙げられるのは「結婚や出産などのライフスタイルの変化」が31.7%、「事業所の運営方針に不満がある」が25%、「人間関係の不満」が24.7%と、イメージとは違うものが大半でした。
女性が圧倒的に多いことや高齢者の増加に人手が追いつかず職員が不足していることが考えられますが、いい換えれば、これらの離職理由を解決できれば離職率を下げ定着率を上げることができる、ということです。定着率を上げたいのであればワークライフバランスや職場環境の改善、給与の問題をクリアすることが必要不可欠なのです。

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