迫りくる2025年問題への対策とは?

これからの介護業界を考える

2025年問題への対策

需要と供給のギャップを埋める施策とは?

2025年に不足する介護職員は38万人にも上るといわれていますが、それに対応するために厚生労働省では「参入促進」「労働環境と処遇の改善」「資質の向上」の3つを柱とした「総合的な確保方策」を決定しました。
具体的に説明すると、「参入促進」とは新たな人材を確保するために多様な人材の参入を促進することで、地域志向の若者を掘り起こしや高齢者が地域ボランティアへの参加などがこれにあたります。
「労働環境と処遇の改善」は介護職員が長く働き続けるために、本人の能力や役割分担に応じてキャリアパスを構築する道を作ったり、資格を取得する支援や離職した介護福祉士の届け出制度の創設、再就業支援対策の強化などのことです。
「資質の向上」は介護の資格取得方法の見直しによる資質の向上、マネンジメント的な医療ケア・認知症家の研修支援などで継続的に質の向上を促しながら限られた人材を有効活用するために機能分化をすすめることです。
つまり、専門的な知識を持っている人には資格を与えて、収入も上げていこうということですが、介護職員の給料はもともと低めですし、賃金改善でいくらかアップしたとはいっても他の職種に比べるとまだまだ低めの給与です。また、賃金改善に伴って事業所に支払われる介護報酬が引き下げられたことで事業所側の負担が重くなったため、現場での待遇や福利厚生の低下、事業所自体が経営破綻、といった不安要素も増えました。

需要と供給のギャップを埋める施策とは?

介護離職を防ぐために

迫りくる2025年問題に対応するには介護職員の増員が必要不可欠です。そのため、「総合的な確保方策」では離職理由第一位の「結婚や出産・育児」の対策や情報を発信して介護職のイメージをアップし、人材を確保しようとしています。しかし、具体的な内容が曖昧になっていることもあり、本当に実践できるのかどうか、といった不安もあります。
たとえば、「結婚と出産・育児」の対策ですが、長く働き続けられるように「事業所内保育園の運営支援による育児との両立」が掲げられていますが、保育園の数自体が不足している今、どうやって介護職員に特化した子育て支援策を実践するのでしょうか。
また、介護の3つの魅力「楽しさ」「深さ」「広さ」について情報を発信してイメージアップをはかるとしていますが、具体的にどのような情報を発信していくのでしょうか。求人広告でよく見かける「簡単な作業ばかり」「アットホームな職場」「待遇が手厚い」といった謳い文句ですが、介護の現場はその言葉通りではありません。つらいことや苦しいこと、厳しいこともたくさんあります。甘い言葉に偏った情報を発信してしまうと、現実のギャップを感じてしまいすぐに辞めてしまう可能性もあるので、いい回しに注意しながら情報を発信しなければなりません。

現状と将来プランをきちんと伝える

人手の確保は大切ですが、入職後にギャップを感じて離職してしまっては意味がありません。再び離職率を高めてしまわないように、介護職の魅力だけでなく現状や将来プランもしっかりと伝えながら人材を確保し、労働環境や待遇が改善するような施策を実践していくことが大切です。

介護業界を目指すあなたへ

当サイトをご覧いただきありがとうございます。当サイト「これからの介護業界を考える」は介護業界を取り巻く問題を紹介しながら、介護職として働くために必要な基礎知識を紹介しています。当サイトに関するご意見やご質問はこちらの【お問い合わせ先】からどうぞ。